連載小説「リハビリ」
はじまりは小さな指の震えだった。 だんだんと動かなくなっていった両手の指たちを私は他人事のように感じたものの まるで家族を亡くしたばかりの友人の心労を見守るかのように心の片隅の安全そうな場所に指たちが動かないという不安を私は匿った。 コントロールが効かないその指先をじっと見つめて集中していると脈打つ毛細血管と張り巡らされた神経のありかまでを感じられるようになってやっと少しの動きを取り戻すのだ。 病院に行こうか一瞬迷った。 でも行かなかった。 今はそのことに後悔していない。その後の半年間のことを想えば。 人は老いていく。ちょっと前の時代にできたことができなくなっていることに気づいたとき、大抵の人は刺激を追い求めなくなっていくのかもしれない。私は違った。あらがった。毎日ピアノの教室に通うことで少しずつ私の指は器用さを取り戻していくだろうと願ったのだ。 音楽が好きだったのはとうの昔で、学生時代に音楽オタクの友人に連れられていったライブやレコードバーで知った程度で、自分で掘り下げたこともなかった。ただ覚えているのは優雅に流れる音楽をバックに魅力的な男女が


自由と規律
ある番組のリサーチの一環でサルバドールダリのインタビューを翻訳したことがあった。ありとあらゆる質問に対してシュールレアリスムの作家サルバドールダリが生み出す回答は、徹頭徹尾わけのわからないものだった。大きなキャンバスを縦横無尽に飛び回る筆跡と同様に彼が生み出す言葉は、意味を...


日本人と英語
オモロイです。施光恒さんの記事が特に面白いです。ブレグジットや黄色いベスト運動、アメリカファーストなどの現象を多国籍企業中心主義化に対する反発とみなし、世界の潮流はグローバル化とは真逆の方向に向かっているといっています。ヨーロッパから50年遅れの外国人労働者受け入れや英語教...


亀倉雄策と松永真 (2015年)
まず佐野研二郎氏の一連のオリンピックのエンブレムの報道について述べておきたい。 初めてエンブレムを見た時私は、その色と形に込められたコンセプトにとても関心していた。ただ、世の中は、彼のプロフェッショナリズムに対して異を唱えた。彼のエンブレムデザインがどんなに優れていたとして...


Journey to the future moon
一枚の絵がここにある。未来の月を描いたものだ。色とりどりの姿形をした生き物たちが月の基地を行き交っている。スライム状の体に甲殻状の手足が生えた生き物の親子連れ、二足歩行の哺乳類のように見えて、表面はサファイヤのように緑色に輝いている生き物の彼は、ウィンドーショッピングをして...


Peace Bird
最近、YouTube作品を撮影しようと試みたものの失敗。 その前後でウクライナからメッセージを頂き、今までの生き方や企画について考え直すきっかけになった。 昨日、自分で初めてオリジナルステッカーというものをキンコーズで作成。...
キヨミ
(この文章は、フィクションです。) いつも通う喫茶店でいつも通りコーヒーを飲んでしばらくパソコンで読み書きをしたあと、お会計をした。代金は、420円だったが、小銭が足りなかった。 その喫茶店は、創業68年の純喫茶と言われるタイプの場所で、スマホ決済もできなかった。駅のそばに...


あの子の名前
2019年教養のエチュード賞出品作品 プレーヤー 男1人 女1人 ルール 架空の赤ちゃんの名前を決めて、その名前を決めるに至った由来となる男女の会話を想像する。 あそび方の例 鉄男くんの名前の由来 女「あなたの硬いの好きよ。」 男「この子にもそうなってほしい」...


ムーの洞窟
言葉を持たない部族の2人がジャングルにいる。蛇が2人を見ている。 二人は、毛むくじゃらの双子。片割れは、血だらけで体は華奢で背骨は、極度にひん曲がっている。げっそりした彼だが眼光は、しっかりとしていて何かを悟ったような知性を感じられる。双子のうちのもう片方は、しっかりとし...
New Year's resolution 2019
I spent time with my nephew and niece who seriously played hard during the New Year's holidays. I gained plenty of energy playing with...













