亀倉雄策と松永真 (2015年)

まず佐野研二郎氏の一連のオリンピックのエンブレムの報道について述べておきたい。 初めてエンブレムを見た時私は、その色と形に込められたコンセプトにとても関心していた。ただ、世の中は、彼のプロフェッショナリズムに対して異を唱えた。彼のエンブレムデザインがどんなに優れていたとしてもサントリーのバックのデザインでの盗用、写真の無許可での引用などが原因で、彼のデザイナーとしての信用は失墜した。デザイナーという職業が必要とする信頼性とは、何かを学んだように思う。 そうした背景も重なって、今回様々なデザイナーの作品を見る中で、オリジナリティーとは何かという事を重点的に考えながら見ていたように思う。特徴を捉えて簡略化していけばいくほど、何か他のものに似てきてしまうのは、仕方のない事かもしれない。果たして優れたデザインとオリジナリティーとは、両立するものなのだろうか。私が見てきたなかで、かっこいいと思ったものには、デザインの理念らしきものがあってそれがシンプルに表現されている。デザインには、あらゆる尺度がある。クライアントの特徴をとらえて簡略化する上で重要な点は、リズム感、色、スペースの取り方、など 線一本にしてもそこには、直線か曲線、横と縦、太さ・細さ、丸さと角など、メッセージや表現する対象を紙一枚に封じ込めるためのさまざまな工夫がある。デザインの巨匠達は、あらゆる方法の中からいくつかの方法だけを選び取ってその方法を表現に洗練させていく。その方法そのものが映えるようになるまで、いらないものを削ぎ落とし、メッセージやオブジェクトそのものの持つエッセンスをむき出しにする。 亀倉雄策と松永真のデザイ

母なる証明

「母なる証明」を観た。トジュンと母。いかれたエリート弁護士とその周りにいるキャバ嬢たち。トジュンの悪友と恋人。被害者の女の子と男達。母性愛を描いていると思いきや、韓国社会のヒエラルキーを性の視点で描いているようにも見える。そして、目の前で咽び泣く主人公に対し「泣くなよ」と言い放つ最も辛い人物のセリフに唖然としてしまった。韓国に行った事はないのでこの映画がリアルかは分からない。でもそんな事はどうだっていい。つらい事を忘れられるツボが太ももにあるらしい。そんな迷信まがいのツボに鍼を打ち、沈みゆく夕日の中で主人公は踊るのだ。

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